遠い昔、竜と人間はお互いを想い助け合いながら暮らしていた。
強大な力を持つ竜と、個々の力は弱い人間。
人間は段々と、強大な力を持つ竜の事を恐れていった。一人の不安は伝染し、竜は悪だと言った者もいた。
そして、人間から仕掛けた竜との戦争は始まり、人も竜も多く亡くなる酷い歴史となった。
『これ以上争い続けていても数を減らすだけだ。お前達はもう此方と関わらなければ私達も手出しはしない。勘違いはするな。私達はお前達を許したわけではない』
竜が人間達に告げたことで、戦争は終わり。
何百年も経った世界である少年は密かな願いを込めて村を出た。
少年は記憶を失っていた。その記憶を探していた。
外に行ってはいけない。竜は恐ろしい。言い聞かせれていても、彼は知りたかった。
それは一人の少年が無くなった自身の記憶を探す為に、村の外を知り竜がいる世界を巡る物語。
――竜と共に世界は廻る。